本音で話す家造り⑩ 中古住宅は本当に気を付けてください

いえとち本舗岐阜東濃店奥田
中古住宅は新築よりも購入費用が抑えられるため、魅力的な選択肢に思えることがあります。しかし、中古住宅には購入後に思わぬトラブルや出費が発生するリスクも潜んでいます。場合によっては、事故物件を購入してしまうこともあり、慎重な判断が求められます。本音で話す家造りとして、中古住宅購入時に気をつけるべきポイントを解説します。
中古住宅購入の主なリスク
1. 購入後の修繕費が想像以上に高額
- 老朽化による修繕費
見た目では分からない部分(基礎、屋根、外壁、配管など)が劣化している場合があり、修繕費が高額になることがあります。
- 設備の更新費用
古い住宅では、キッチンやバスルームなどの設備が時代遅れになっており、入居後に更新が必要になることが一般的です。
- 隠れた瑕疵
購入時に気づかなかった欠陥(雨漏り、シロアリ被害、地盤の問題など)が後から判明し、大規模な修繕が必要になるケースがあります。
2. 事故物件を買わされるリスク
- 事故物件の定義
過去に事件や事故、孤独死などが発生した住宅は、心理的瑕疵(かし)物件として扱われます。
- 情報開示の限界
法律では、直近の入居者に関する情報のみ開示義務があります。それ以前に起きた問題については、購入者が知らされない可能性があります。
3. 住宅ローンや保険の制限
- 古い住宅は、住宅ローン審査で不利になることがあります。
- 耐震性が不足している場合、火災保険や地震保険に加入できない、または保険料が高額になる可能性があります。
4. トラブルの多い立地や環境
- 中古住宅は既存の地域コミュニティに入ることになるため、近隣トラブルや環境の問題が発生することがあります。
- 騒音、治安、交通アクセスなど、立地に関する問題が購入後に判明することも。
中古住宅を購入する際の注意点
1. プロによる徹底的な検査を行う
- ホームインスペクション
購入前に住宅診断士(ホームインスペクター)に依頼し、建物の状態を詳しく調査してもらう。
- シロアリや雨漏りのチェック
専門業者に依頼し、見えない部分までチェックを行う。
2. 購入する物件の履歴を確認
- 事故物件かどうかの確認
不動産会社に過去の利用履歴を尋ねる。購入前にインターネットや専門のデータベースで自己調査を行うのも有効。
- リフォームや修繕の履歴
過去にどのような修繕やリフォームが行われたかを確認し、老朽化の程度を把握する。
3. 住宅ローンと保険の条件を確認
- 金融機関で住宅ローン審査を行い、築年数や物件の条件による制限がないか確認する。
- 火災保険や地震保険の加入条件を事前にチェックする。
4. 周辺環境を調べる
- 昼間だけでなく、夜間にも現地を訪れて環境を確認する。
- 学区や交通アクセス、近隣住民の雰囲気などを事前にリサーチする。
5. 価格だけで判断しない
- 安いからといって飛びつかず、必要な修繕費や維持費を含めた総額で考える。
- 買い得感を優先しすぎると、後から多額の出費が必要になる場合がある。
中古住宅購入で後悔しないためのポイント
1. 修繕費用を予算に組み込む
- 購入後に予想外の出費が発生しないよう、リフォーム費用や修繕費用を事前に見積もり、予算に組み込む。
2. 信頼できる不動産会社を選ぶ
- 過去のトラブル履歴や物件の詳細をしっかり説明してくれる不動産会社を選ぶ。
- 強引なセールスを行う業者には注意する。
3. 新築と比較する
- 同じ価格帯で新築や建売住宅がないか検討し、中古住宅を選ぶメリットが明確かどうか判断する。
まとめ
中古住宅は、新築にはない魅力や価格面でのメリットがありますが、見えないリスクが潜んでいます。特に、修繕費や事故物件に関する問題は、購入後の生活に大きな影響を与える可能性があるため、慎重な調査と準備が必要です。
購入を検討する際は、専門家の意見を取り入れながら、自分たちの予算や生活スタイルに合った物件を選びましょう。また、修繕費や保険料も含めた「トータルコスト」で判断することが大切です。
おまけ知識
悪徳業者の手口に気を付けて
事故物件はこうすれば分からなくなる?
事故物件(心理的瑕疵物件)は、不動産取引において特別な注意が必要な存在です。しかし、法律の隙間や不動産業者の対応によって、事故物件とわかりにくくなるケースもあります。ここでは、事故物件がわかりにくくなる手口と、それに対する対策について解説します。
事故物件を「わからなくする」手口
1. 入居者の履歴をリセットする
- 法律では、「直近の入居者が亡くなった場合のみ」心理的瑕疵を告知する義務があります。
- 一度短期間だけ他の人に貸し出すことで、その入居者が住んだ後の事故物件としての履歴をリセットすることが可能になります。
2. オーナーが名義を変更する
- 所有者を変更することで、新しいオーナーの物件として販売することで、事故物件の印象を薄める手法です。
3. 記録を曖昧にする
- 古い情報や事件に関する具体的な説明を避け、「詳細は確認していない」と不動産会社が主張することがあります。
- 事件や事故が発生した場合でも、具体的な場所や状況を曖昧にすることで、心理的な影響を軽減する意図があります。
4. リフォームや改装でイメージを一新
- 物件をリフォームやリノベーションして外観や内装を一新し、事故物件の痕跡を隠す。
- 特に現場が分かりやすい形で残っている場合、意図的に目立たないように修繕されることがあります。
5. 低価格で「目玉物件」としてアピール
- 価格を大幅に下げて販売することで、「安さ」の魅力に惹かれた購入者が、深く考えずに契約してしまう場合があります。
事故物件を見抜くための対策
1. 情報収集を徹底する
- ネットで調査
「大島てる」などの事故物件情報サイトを利用して、その物件やエリアに関する過去の情報を確認する。
- 近隣住民に聞く
周辺住民に物件について尋ねることで、過去の事件や事故を把握できる場合があります。
2. 重要事項説明書を確認
- 不動産取引では、心理的瑕疵について告知する義務があります。不動産業者が提供する「重要事項説明書」に記載があるかを確認しましょう。
3. 問題があれば質問する
- 具体的に聞く
「この物件で過去に事故や事件がありましたか?」と具体的に質問することで、不動産業者に回答を求める。
- 言質を取る
業者が否定した場合、その証言を記録に残すことで、後から問題が発覚した際の証拠になります。
4. 法律の専門家に相談
- 弁護士や不動産コンサルタントに依頼し、物件の履歴や法的リスクをチェックしてもらう。
5. 短期間の入居歴を確認
- 直近で「短期間しか住んでいない入居者」がいる場合、その目的が事故物件履歴のリセットである可能性が考えられます。
事故物件の購入を避けるための心得
- 安すぎる物件には注意。価格が相場より大幅に安い場合、心理的瑕疵がある可能性があります。
- 業者任せにせず、自ら調査を行い、慎重に判断する。
- 物件だけでなく、周辺環境や土地の歴史についても調べる。
まとめ
事故物件を「わからなくする」手法は、法律の曖昧さを利用したものが多いです。しかし、購入者が適切に情報収集を行い、慎重に物件選びを進めることで、リスクを回避することが可能です。大切なのは、安さや外観だけで判断せず、長期的な安心感を重視することです。